まさか自分が「小麦アレルギー」になるなんて、当時は想像すらしていませんでした。
その日、長女は幼稚園に通っていて、私は次女をベビーカーに乗せて近所を散歩していました。
いつもと変わらない、穏やかな日常。スーパーからの帰り道、突然ふくらはぎのあたりがかゆくなり、
「蚊にでも刺されたかな」と思ったのが最初の違和感でした。
次第に腕、そして首の方までかゆくなってきて、
首元を触ると、ブツブツとした感触がありました。
「何かおかしい」
そう思って慌ててマンションに戻り、
家の全身鏡の前に立つと、自分の顔が真っ赤に腫れ上がっていることに気づきました。
――蕁麻疹(じんましん)だ。
その後、息苦しさが出てきて、何かが圧迫しているような感じがしました。
すぐに行きつけの内科に電話をして、「今から向かいます」と伝えたものの、
電話を切った直後から視界に異変が。
まるでテレビの砂嵐のように、視界の下半分がざらざらと曇り、
だんだんと目が見え辛くなっていったのです。
下半分だったのが、だんだん全体が暗くなってきて
「何が起こっているの……?」
パニックになりながら、なんとか母に電話。
すぐに駆けつけてくれた母が救急車を呼んでくれました。
救急車の中で測った血圧は、
上が60、下が40。
その後、いろいろな検査をして
「アナフィラキシーショック」という命に関わるアレルギー反応ということがわかりました。
最初は、原因が小麦と言うことにもわかりませんでした。
運動誘発性アナフィラキシーとわかったのはしばらく経ってからでした。
この出来事をきっかけに、
私は「食べること」や「からだの反応」と真剣に向き合うようになりました。
そして、食育の勉強や、グルテンフリー生活の工夫も少しずつ始めました。
調味料の中に少し入っている小麦には反応しないので、市販品もちょこちょこ使っています。
いろいろな市販品もまた紹介させてくださいね。
そしてこの経験が少しでも誰かの参考になればと思います。